こんにちは。銀行取引コンサルタントの、川北英貴です。

中小企業経営者の多くが悩むのが、資金繰り。
そして資金繰り対策の中で、重要なことの一つは、銀行からスムーズに融資を受けることではないでしょうか。

私は地方銀行で7年半勤務した後、2004年10月に株式会社フィナンシャル・インスティチュートを設立、以後10年間、東京・名古屋・大阪・福岡の4拠点にて、事業再生・資金繰り・銀行取引のコンサルティングを行っています。

このコラムでは、私の銀行員時代の経験、そして10年間のコンサルタントの経験をもとに、読者の会社が銀行から融資をスムーズに受けられるように、そして銀行と上手に付き合っていくにはどうしたらよいか、書いていきます。

融資を申し込んだら稟議書を書いてくれるか?

銀行の融資審査は、稟議書にて行われます。
稟議書とは、会議で集まる代わりに議題を書面に記載して、それが回覧されて決裁されるものですが、銀行においては、企業から融資の申込みを受けた担当者が稟議書を作成し、それが支店内で回覧され、支店長が最後、融資を出すかどうか、そして金額や返済期間、金利などの条件を決裁するものです。

稟議書には、次のようなことが記載されます。

1.融資金額と条件(金利・期間・担保・保証人)

2.資金使途(融資で出た資金を何に使うか)

3.返済の財源は何なのか
  (長期融資や設備資金であれば将来事業で稼ぐ利益、短期融資であれば
   資金使途によりそれぞれ異なってくる)

4.業績はどうか、財務内容はどうか、それに伴い保全(担保・保証人)の
  必要性はどうか

5.なぜその企業に対し、銀行は融資をすべきなのか

そして稟議書を書くという仕事は、銀行員にとってはプレッシャーのかかる仕事なのです。

なぜ稟議書を書くのはプレッシャーがかかるのか

それはなぜか。次の理由があります。

 稟議書を無駄な仕事となることをおそれているから

稟議書を作成するということは、その担当者は、融資申込みを企業から受付し、稟議書により審査を行いたいと考えたことになります。
案件によっては、いくら審査したところでほぼ審査は通らない、ということもあるでしょう。
そのような案件の場合、担当者が稟議書を作成したということは、無駄な仕事を増やした、ということになります。
無駄とは、ほぼ審査が通らないのに稟議書を作成した、ほぼ審査が通らないのに支店内の回覧先の銀行員が稟議書を見て審査しなければならなかった、という意味での無駄です。

そして、銀行員は、上司の目を気にします。
上司から「そんな案件の稟議書をまわして、何を考えているんだ。」と思われるのが怖いのです。

こういうことから、企業から融資の申込みをされても、それが通る可能性がほぼゼロであったら、稟議書を書くこと自体を躊躇してしまうのです。

稟議書の書き方が下手と思われたくないから

稟議書は、パソコンで書きます。そこには文章も多く書かれます。
なぜこの会社に、自分の銀行は融資を行わなければならないか、上司や支店長を説得するだけの材料と論理展開が稟議書には求められるのです。

そのため、融資を通すための材料が集まっていない稟議書、集まっていてもそれがなぜ融資を行うことにつながるのか論理が矛盾している稟議書、そもそも何が言いたいのか分からない稟議書、このような稟議書が上司や支店長に回覧されると、稟議書を書いた担当者の能力自体が問われることになります。

銀行員に稟議書を書く気にさせるにはどうするか

以上の理由から、銀行員が融資審査の稟議書を書くのは、プレッシャーのかかる仕事なのです。
また、銀行員は常にたくさんの融資案件を抱えていて、たくさんの稟議書を書かなければならないのです。
そのような状況で、あなたの会社が銀行からスムーズに融資を受けたいのであれば、まずはあなたを担当する銀行員に、「稟議書を書こう」という気を起こさせることです。

稟議書を書く、つまり案件として取り上げてもらわなければ、そもそも融資審査は始まりません。
それには、日頃からの銀行員とのマメなつきあい、あなたの会社の財務資料・経営計画・アピール資料など各種材料の提供が必要となります。

まずは稟議書を書いてもらうこと。そこが、融資を受けるスタートとなります。
そのためには銀行員とどう関係を築いていくか、そこを考えたいものです。

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